Chapter26
眠れる巨人よ、目を覚ませ
Holgar Dansk

会社やプロジェクトがなぜうまくいかないのか、いままで述べてきた。もしかすると、各章を読んで絶望的な気分になった人がいるかもしれない。しかし、各章にはどうすればよいのかという処方箋を必ず書いたつもりである。あとはそれを少しずつ実行していくだけだ。

一度にたくさんやることは無理だろう。相手を罵倒して喧嘩をすれば混乱を増すばかりで、上層部は黙殺するに違いない。しかし、たったひとつのことを永続する変化が現れれば、それはとてつもなく大きな成果になる。

一人で、この変革を起こすことは不可能だ。だから、たくさんの人達がなにが問題なのかを共有する必要がある。会社から指示されたつらい仕事にただ耐えて、不平不満を並べるだけではなく、本当に良い仕事をするためにはいったいどういうことをしなければいけないかということを、自分の頭を使って考えてほしい。そして、自らの手で変革の機運を高めていくのだ。

デンマークのコペンハーゲンの真北に、クロンボルグ城がある。数クローネ払えば、ホルガーダンスクという、伝説的なデンマークの眠れる巨人の像を見ることができる。ホルガーダンスクは平和なときは静かに眠っているが、万一、デンマークが危機に陥ったときは、目を覚まし、恐ろしい形相で怒り出す。(中略)

読者が属する組織の内部にも、眠れる巨人が危機に陥ったら目を覚まそうとしているはずだ。(中略)巨人とは、あなたの同僚や部下で、堪忍袋の尾が切れかかった理性のある人達だ。(中略)みんなはどういうことが「馬鹿馬鹿しい」かをよく知っている。 (277p)

巨人を起こすにはそんなに時間はかからない。馬鹿馬鹿しさがあまりに酷ければ、弱い触媒が僅か必要なだけだ。「こんなことはとても受け入れられない」と小さな声でいえばそれで十分かもしれない。みんなは本当にそう思っている。いったん、みんなが言い出すと、もう無視できなくなる。 (278p)

仕事がただ「つらいことに耐えること」なら、生産性は落ち、競争に敗れ、惨めな将来が待ち受けているだろう。なぜなら、仕事が嫌いでいやいややらされている人と、そうでない人では、仕事に関する能力の差がどんどんついていくからである。そして、それは会社単位でおこることを忘れてはならない。つまり、今まで述べてきた内容を無視するような会社は没落することが避けられないということに他ならないのである。

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